装身具は、日本では約一万七千年前の旧石器時代から存在したと言われています。
翡翠やガラス、金属、貝などを材料に、髪飾りや耳飾り、首飾り、腕輪、指輪などが作られました。
はじまりは魔除けの呪具として、それが次第に権威を示すための装飾品として普及しました。
近隣諸国の影響を受けつつ、縄文・弥生・古墳時代と古代日本で受け継がれてきた装身具ですが、不思議なことに古墳時代以降、その姿は忽然と消えてしまうのです。次に姿を現すのは約1,100年後の明治時代、海外からもたらされ復活するに至ります。
今や日常生活に浸透したアクセサリーですが、そのルーツは西洋にあります。無象が創作するのは、日本ならではの造形や機微、情緒をモチーフにした現代の装身具。古代日本で断絶した装身具に思いを馳せ、その系譜に連なるイメージを追い求めます。